明日を生きる未来のために

はじめに

私はこれまで理事長を務められた 多くの 先輩方と違い、この地域 で生まれたわけでもなければ、育ったわけでもない 、いわゆる 余所者です。
また、鳥栖 青年会議所に 入会する までは青年会議所の存在も知りませんでした。

地域や国のことはもとより、政治 や行政のことなど 考えたことのない 当事者意識に欠けた人間でした。
しかし、そんな私も鳥栖青年会議所へ入会し、多くの方々との出会い、様々な経験をさせていただく中で視野が広がり、自分の考えも大きく変化し 、今ではこの地域をもっとより良くしたいと いう強い想いを持つに至りました。

今 どれだけの人が自分達の住み暮らす地域をより良くしたいと主体的に考え、行動しているでしょうか。
青年会議所をはじめ、地域をリードする 各 団体に所属している方は当然です。
しかし、それは 地域住民の中の ほんの一握りに過ぎず、それ以外の大多数の方は私がそうだったように当事者意識を持てないでいるのではないでしょうか。
他市より この地域に移り住み、子育てをし、起業した私が鳥栖青年会議所の理事長になるということは 、鳥栖青年会議所が私たちの 地域 に無くてはならない団体として 、これからの未来に持続可能な組織をつくりあげていく中でも意義深いものであると考えます。

昨年、鳥栖青年会議所は創立60周年を迎えました。
60年前に「青年の力で新しい社会を 」という大きな希望を抱き、全国で183番目の青年会議所として誕生した鳥栖青年会議所は、これまで多くの先輩方が地域における明るい豊かな社会の実現に向け、尽力されてきたおかげで今日の姿があります。

創立60周年記 念式典では、その長い歴史の中で紡がれてきた先人達の熱い想いと不断の努力の蓄積を改めて再確認し、これからの鳥栖青年会議所の組織としての在り方を考える貴重な機会となりました。
創立60周年 関連 の 全事業を総括する責任者として、メンバーと 手を携え、共にそ の職責を全うできた一年間は私にとっては何物にも代えがたい経験であり、私個人はもとより、組織としても成長できた と感じています。

本年は 主管LOMとしての佐賀ブロック大会運営 という大きな担いがありますが、昨年の創立60周年式典・祝賀会で得られた経験が大いに役立つものだと思います。
また、創立50周年時に策定された「まちづくりグランドビジョン2009」 から10年 、創立55周年時に発表された「まちづくり提言書2014」から5年が経ち、時代も我々を取り巻く環境も大きく変化していく中で、昨年一年間を通じて、 メンバー皆でこれまでの10年間を 検証、議論し 、 新たな時代に即した 「 鳥栖JC 運動 指針 2019」を策定しました。

「青年会議所はまちづくりを通してひとづくりを行う団体で ある」との考えから、「ひとづくり」、「まちづくり」という2つの柱において、時代に即して変えるべきところ、時代が変わっても創始の精神を受け継ぎ、青年会議所の理念に照らし合わせ、変えてはならないところを明確にし、地域における鳥栖青年会議所のこれからの運動の方向性を示し、組織としての旗印としました。

本年は「鳥栖JC運動指針2019」策定元年として、これからの10年の礎とすべく、地域変革のための力強い運動を展開してまいります。

まちづくりを行うのも人ならば、ひとづくりを行うのもまた人です。
「鳥栖JC運動指針2019」では、日本の心を育み、地域・国を愛するひとづくりとして、2つの運動の方向性を掲げています。元来、日本人は謙虚で礼儀正しく、他を慮る精神性や公共心を持っています。それは悠久の歴史と、これまで連綿と受け継がれてきた文化により育まれてきた日本の心ともいうべきものです。

これまでは日常において、祖父母や地域の方々から伝え聞き、学ぶ機会が存在していました。
しかし、家族形態の変化や地域コミュニティの衰退により、その機会が失われ、日本人としての精神性や伝統的価値観は希薄化の一途を辿っています。

現代においては、インターネットやSNS等の台頭もそこに拍車をかけているように感じます。
電車やバスに乗れば、皆がスマホの画面を見ており、近くに立っているご老人や妊婦さんに気付かない、そんな光景を目にしたことがあるのは私だけではないはずです。
かつては皆が携えていた日本の心をもう一度取り戻すことが必要です。

鳥栖青年会議所が行っているわんぱく相撲はそういった日本人としての精神性や伝統的価値観を育む事業であり、その原点に立ち返り、日本の心を学ぶ機会として地域への更なる定着を図るとともに、参加促進事業としての化粧まわしづくりワークショップの在り方を模索してまいります。

また、鳥栖青年会議所の活動エリアである鳥栖市、基山町、みやき町、上峰町という1市3町において、鳥栖市は他の3町と比べ、選挙における投票率が低く、市民の政治や行政に対する当事者意識が低いと感じます。
昨年行われた鳥栖市長選(44.58%)、佐賀県議会議員選挙(42.49%)では過去最低を更新しました。これは鳥栖市が現在も緩やかに人口が増えており、他の市町村からの流入人口が多いことが原因のひとつと考えられますが、鳥栖市においても一部を除き、既に人口減少の局面を迎えています。
これから更に本格化する少子高齢化、人口減少は国家的な課題であり、おそらく避けて通ることはできないでしょう。

しかし、少子高齢化や人口減少がまちの魅力を下げるわけではありません。
今こそ官民という既存の枠組みに縛られることなく、地域住民一人ひとりが自分達の住み暮らすまちのために出来ることを考えることができる、地域を愛する心、郷土愛を持った人が必要です。

しかし、郷土愛と言うとどこか堅苦しいイメージを抱く人も少なくありません。
私達がふるさとに懐かしさを感じ、愛着を感じるのは何故か、それは両親や親戚、友人など愛すべき人が多く住むまちだから、そして、生まれ育ったまちで自らが経験した記憶の数々がそうさせるのです。

今を生きる子ども達に地域の伝統や文化を伝え、継承すると共に、とびっきりの楽しい記憶に刻む事業を行い続けていくことで、このまちをわがまちとして捉えられる、郷土愛を育むことに繋がると考えます。

「鳥栖JC運動宣指針2019」では、世界へ誇れるまちづくりとして3つの運動の方向性を掲げていますが、その中でも本年は個性溢れるまち(地域資源を生かした活気ある地域の創造)に注力したいと考えます。

私たちが住み暮らすこの地域は九州の陸路交通の要衝として、古くから人、物、文化が行き交うまちとしてこれまで発展を遂げてきました。
古くは対馬藩田代領としての対馬との繋がりや、くすりやはぜろう、鉄道といった近現代の鳥栖の発展を支えた産業だけでなく、この地域には歴史、文化、教育、観光、交通、医療、スポーツなど様々な地域資源が数多く存在しています。

医療において、サガハイマットは全国でも指折りの施設であり、スポーツにおいては、サッカーJ1のサガン鳥栖、バレーボールV1の久光製薬スプリングスなど眩い光を放つ個性もいくつかありますが、まだまだ私達が知りえない眠った宝も多く存在しており、そのポテンシャルを活かした更なる発展が期待されています。現代においては、SNSの力により、たった1枚の写真がきっかけで日本はもとより、世界中の人々と繋がることが可能です。

新たな価値を生み出し、誇れる地域へと大きな変貌を遂げた例も少なくありません。
私たちにとっては当たり前に思えることも他の地域から見ると、そして初めてこの地を訪れる人にとっては貴重な経験となりえます。
当たり前を見直し、地域の魅力を俯瞰的に捉え、地域資源を活かした新たな価値を創出し、活気ある地域の創造に向けた運動を展開することで、他の地域にはない、個性豊かで活気溢れる、世界へ誇れるまちの実現を目指します。

また、2011年の東日本大震災を皮切りに2016年熊本地震、さらに大阪や北海道でも発生した大地震に加え、近年においては地震だけでなく、「平成29年九州北部豪雨」や「平成30年7月豪雨」などの豪雨災害が毎年のように発生しています。

昨年は千葉県や関東・東北地方の広い範囲において、大規模な台風災害も発生し、佐賀県においても「令和元年佐賀豪雨」により、多くの尊い命が犠牲になったことは記憶に新しく、忘れることができません。

しかし、このような災害が毎年のように各地で起こる昨今、同じような災害が日本全国、また世界中で、いつどこで起きてもおかしくありません。そんな状況下において、災害に対する備えは出来ているでしょうか。
明日、我々の住み暮らす地域で災害が起こるかもしれない、そんな時に食料は、避難場所は、大切な人との連絡手段は共有できているでしょうか。

これからの未来を生きる私たちにとって、災害に対し健全な危機感を持ち、しっかりとした備えをすることは必要不可欠です。そして、地域を先導する青年会議所として、やるべきことは何なのか、他団体や行政とも連携しながら地域における災害対策の在り方を考える機会にしたいと考えています。

組織の力は個人の力の結集であり、個人の成長が組織の成長へと繋がります。
私たちは明るい豊かな社会の実現に向けた運動を展開し、地域住民の意識を醸成し、地域社会を変革する団体であり、その運動を地域住民に伝播する我々JAYCEEには個人の修練によるスキルアップが求められます。

そして、青年会議所には誰でも等しく、「個人の機会」、地域の機会」、「国際の機会」、「ビジネスの機会」という個人の発展成長のための4つの機会が用意されています。これは青年会議所が地域リーダーを育成する唯一の団体である証であり、JCIミッションにも明確に記してあります。

また、青年会議所にはLOMの中だけでは得ることが出来ない知識、様々な学びや気付きを与えてくれる各種大会が存在します。
そこで得たものは必ずや私たちの血肉となり、地域に向けて運動を行う自信や誇りとなります。
40歳までの限られた貴重な時間において、失敗を恐れず、一つひとつの機会を大切にし、チャレンジしよう。

JAYCEEとして積極果敢にその機会を掴み、自分自身の発展成長に繋げていこうではありませんか。会員個人の成長が会社をより良くし、家族を幸せにし、その成長が鳥栖青年会議所という組織をより良くし、更にはこの地域をより良いものにしていく、私はそう確信しています。

本年は例会・総会を会員の意識統一を図る厳格なセレモニーと、学びの場としての例会事業の二本立てとし、個人の成長から強固な組織の確立を目指します。

また、地域における青年会議所の存在と運動を広く地域住民に認知していただき、我々の運動に賛同、参画していただくためにも継続的かつ効果的な広報とブランディングが必要不可欠です。より多くの方の目に、耳に届けるための的確な広報を行ってまいります。

近年、全国の青年会議所で会員減少が叫ばれています。
鳥栖青年会議所も会員数は減少の一途を辿っており、現在ではピーク時の半数以下となっています。
会員数の減少に伴い、委員会数も減少し、行う運動も減少しているのが現状です。
JCしかない時代からJCもある時代へと社会は変わったと良く言われますが、今では様々な団体がそれぞれの価値観で活動を行っており、経済や社会も組織に属さずとも一人で、スマホ1台でビジネスが成り立ち、買い物に行かずとも自宅まで荷物を運んでくれる、そんな個の時代とも言うべき時代にJCという団体に入って活動する意味を見出すことが難しくなっているのかもしれません。

しかし、個人では不可能なことも団体として、そして、JCなら可能なことも数多く存在します。
JCとは自ら社会の課題を抽出するとともに、その課題解決に向けた方法を模索し、自ら実行することで明るい豊かな社会を目指す団体であり、その経験の中で青年に成長と発展の機会を提供する唯一無二の団体です。JCなら社会を変えられる。いや、社会を変えられるのはJCしかない。

そんなJCという組織の可能性を会員自身が信じ、運動を継続していくためにも志を同じくする仲間を増やしていく必要があります。また、組織において、所属しているものの活動から離れているメンバーも数名存在します。現在活動から離れてしまっているメンバーが想いを新たに運動を共にしてくれれば、それは拡大と同じ効果があります。

そして、拡大の手法として、PDCAサイクルにて行う従来の手法は踏襲しつつも、組織を持続可能なものにすべく、一般企業へのアクションや多角的な視点で運動を展開するとともに、多様性ある社会を実現していくために、我々の運動に変化を起こす可能性を持っている女性会員の拡大にも取り組んでまいります。
しかし、せっかく入会してくれたメンバーもしっかりとフォローしていかなければ、組織の魅力も伝わらず、メンバー自身の活動に対する意欲も沸いてきません。

そこで、今年度は新入会員のフォローアップにドイツの徒弟制度であるマイスター制度を導入します。
これは特定の先輩が青年会議所のこと、プライベートのこと、ビジネスのこと、多岐にわたる相談役として新入会員をフォローするという仕組みであり、これにより、新入会員の定着を目指すとともに先輩メンバーの更なる成長が期待できます。

また、フォローだけでなく、新入会員のモチベーションを高め、いち早く即戦力となってもらうべくアカデミー研修も随時行ってまいります。JAYCEEとしての気概を持ち、能動的に運動に参画し、質の高い運動を行い続けることができれば、メンバー一人ひとりが地域住民の賛同を得て、参画できる魅力的な運動を行っているという意識を持つことができ、それを共有したい、もっと多くの人に伝えたいという今まで以上の発信力を持つことができるものと確信しています。

私は56年振りに日本で平和の祭典である東京オリンピックが開催される記念すべき年に、一般社団法人鳥栖青年会議所第61代理事長として、この地域における明るい豊かな社会の実現に向け、一年間前だけを向き、進んでまいります。明日を生きる子どもたちに、より良い社会を創造し、受け渡すことは我々責任世代に課せられた使命です。私たちなら必ず出来る。

JCの可能性を信じ、進んでいこう。
そして、JAYCEEとして失敗を恐れず果敢にチャレンジしよう。

1.日本の心を伝えるわんぱく相撲の取り組みの実施
2.郷土愛を育む青少年事業の実施
3.地域資源を活かした活気ある地域の創造に向けた運動の実施
4.厳格なる例会・総会の実施とメンバーの発展成長に繋がる例会事業の実施
5.持続可能な組織構築のための会員拡大とフォローアップ
6.アカデミー研修の実施

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